CDJ19/20①に行った感想とか。

2uuublog.orgに投稿している記事の転載です。

これを皮切りにはてなでも別途で投稿するかも。

というかCSSとかよく分からないので、あっちはなんだかやる気をなくしてしまった。

 

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 以前自己紹介で大学時代にドラムをやっていたと書いたけれど、実はそこまで音楽が好きというワケじゃない。「まぁ、多少聴くし、叩けるけど?」みたいな。…ウザ。「まぁ」から始まる発言はだいたいウザいな…。気を付けよう。

 とにかく、そんな温度感だったので、実際にライブに足を運んだ経験は殆どなく、あるのはミルキィホームズのお正月ライブと、2018年末のCDJカウントダウンジャパン)初日、友人が出ていた渋谷や下北沢のライブハウスくらいなものだ。だから昨年のCDJは未知の体験だったわけだが、「まぁこんなもんか」というあっさりした印象に留まった。しかし打って変わって今年のCDJ、僕は物心ついてから20余年の記録を更新するくらい大泣きすることになった。

 

 元々高校時代はアニソンばかり聴いていたこともあり、一般的な音楽を聴くようになった今でもジャンルは広く浅くといった感じで、その中にもやはりアニメタイアップ曲を持つアーティストが多く紛れている。昨年はfhanaとLiSAが特に楽しかった覚えがある(むしろアニソンしか歌ってないだろ)。

 CDJ19/20初日の参加アーティストの中で僕が「これは絶対に行こう」と決めていたのは以下の僅か3バンドだった。

 

・Survive Said The Prophet(以下、SSTPと書いてサバプロと読む)

Nothing’s Carved In Stone(以下、NCISと書いてナッシングスと読む)

フジファブリック

 

| Survive Said The Prophet

 

 SSTP(サバプロ)を知ったのは、アニメ「BANANA FISH」のOPがきっかけだ。2018年に放送されたアニメで、それを後追いで見たのだからかなり最近の話である。そこで起用されていた「found & lost」に僕はすっかり心を奪われてしまった。「こんなツーバス今は踏めないけど、いつか完璧に叩いてみたい」と夢見ながら、ノリノリでApple Musicでヘビロテする日々が続いた。後で調べてみると、年内で3番目にたくさん聴いていたようだ。

 

"ちなみにApple Music Replay 2019では、今年よく聴いた曲トップ100を表示してくれる上に、その100曲でプレイリストを作成できる。Apple Musicユーザーでまだ試していないという人はぜひ使ってみて欲しい"

 

 そんなSSTP、他の曲も色々聴いているうちに、ボーカルのYoshの声に聞き覚えがあることに気づいた。進撃の巨人機動戦士ガンダムUCで楽曲制作をしているあの澤野弘之が手がける音楽プロジェクト、「SawanoHiroyuki[nzk](ヌジーク)」のゲストボーカルだったのだ。このnzkプロジェクトにはAimer(エメ)などの実力派ボーカル達が名を連ねており、アニメ「アルドノア・ゼロ」の「A/Z(アズ)」「aLIEz(アライズ)」や「ガンダムUC」の「Into the Sky」などは特に聴き込んでいた。無論Yoshが歌う「scaPEGoat」なども聴きまくっていた。

 こうしてSSTPとそのボーカルYoshにどんどん惹かれていった僕は、運良くCDJで彼らの生演奏を聴けることになった。それもほぼ最前列で。アーティストのワンマンライブはあんなに大勢の観客がいて近づくのも難しそうだというのに、CDJではいともたやすくステージの真下まで行ける。しかもダイブやリフトなどの危険行為もない。「環境神かよ…」と思いながら、コアなファンたちには少し申し訳なく思う。CDJはそんな場所であると今回気づいた。

 

[CDJ19/20のセットリスト]

1 MUKANJYO

2 found & lost

3 BRIDGES

4 Right and Left

5 when I

6 NE:ONE

7 HI I LO

 

 いきなりfound & lostを聴けるとは思っておらず、自分でも信じられないくらい興奮した。たまのアニメタイアップ曲は他のラインナップと比べると少し異質な場合もあり、古参ファンには「あぁ、その曲から入ったのね(嘲笑」といった反応をされるイメージがあり、もしかしたらセトリに含まれていないかも知れないと期待していなかったのだ。正直半分は曲と曲名が一致していなかったのだが、最後までテンションは上がりっぱなしで、「これがライブか」と感極まっていた。次に行く時までにはどの曲が来ても全力で楽しめるようにしておこう。

 

| Nothing’s Carved In Stone

 

 NCIS(ナッシングス)を知ったのは、サークルの後輩に文化祭でカバーしましょうと声を掛けられたのが最初だった。今年ファンを騒がせたELLEGARDENエルレガーデン)のギタリスト生形真一ストレイテナーのベーシスト日向秀和に声を掛けたところから始まったこのバンド、どのパートも難易度が高すぎてカバーするのには骨が折れた。あり得ないくらい簡略化をした気がする。

 カバーするようになってから2,3年が経っており、もうどれを演奏したのかハッキリとは覚えていない。Isolation、November 15th、Spirit Inspiration、In Future、YOUTH City、Graivity、Iside Outは確かやった。Like a Shootingstarはどうだったかな。好きなだけでやっていないかも知れない。ツバメクリムゾンのスコアが高すぎて断念したのは覚えている。

 IsolationとSpirit Inspirationは6/8小節だったかな。世の中大抵の曲が4拍子で「1234,2234…」と数えていけば良いのに、これらは「123456,223456…」と進行して行くので、慣れないうちは気が狂いそうだった。3なら拍子なんて気にせずとも嫌でも気付くが、6は意外と気付かないまま練習してしまい、後ろの方に来てから「おや、何かおかしいぞ」となる。後輩のドラマーが叩いたHand In Handなんて所々5拍子が紛れ込んでいて正気かと思った。しかしNCISをきっかけに変拍子の音楽に興味を示すようになった。そうでなければCo Shu Nie(コシュニエ)などに目が止まる事もなかったかもしれない。

 

[CDJ19/20のセットリスト]

1 Spirit Inspiration

2 In Future

3 Music

4 Isolation

5 Out of Control

 

 いきなりspirit inspirationか!と、僕も会場も沸いた。僕はSSTPでfound & lostが流れた時と同じ理由で驚いた(spritは絶縁のテンペストのOP)が、単純に人気曲だよね、どっちも。たったの5曲とはいえ、ライブでセトリ全てが知っている曲だったのはこれが初めてだ。好きなアーティストの話をする度に、相手をガッカリさせないために「にわかだけどね」と予防線を張る日々も卒業が近いかも知れない。

 Isolationの2番サビ後の、各パートのせめぎ合うようなソロは本当に見ものだった。特にドラムのここはカバーする際に一番苦戦させられたから、よくよく聴き入ってしまった。大喜多崇規は神なのかな。生で見ることが許されていいのか?あれは。明治維新より前の天皇陛下は”すだれ”の向こうにいたんだろ。

 Out of Controlで僕のテンションは最高潮に達した。叩いたことはなかったけれど、いつか叩きたいなとこれまたよく聴いていた。イントロの時点で僕の中のリトル村松拓が「待ってたんだこの夜を!行けるか!?踊ろうぜ!!」と煽ってきた。だから実際になんて言ったかは聞こえてなかった。でも良かった。音楽を聴いて目頭が熱くなることは滅多にないので、この時の記憶は忘れないだろう。松村拓がアウトロで同期音源を聴くイヤホンを外してこちらに微笑みかける様はさながら天使のようだった。この時ばかりは僕のお迎えはこんなゴリ天使でも良いなと思えた。

 青春をありがとう。NCIS。まったく、苦労させられた。

 

| フジファブリック

 

 フジファブリックは今年、2004年のメジャーデビューから15 周年、初代ボーカル志村正彦の没後10年を兼ねる節目の年だった。「鋼の錬金術師」の荒川弘がサンデーで連載していた「銀の匙」のアニメのOP、「LIFE」は、僕が最初に聴いたフジファブリックの曲だった(こいつ何もかもアニメから入ってるな)。2014年の話だ。

 翌年大学に入り、ほとんど音楽を聴かない僕が好きなバンドとして挙げたものの一つがフジファブリックだったのだが、そこに1人の同期が喰い付いた。「志村正彦じゃん!」と。誰だそれは。にわか丸出しの僕はそこで山梨は富士吉田市生まれのフジファブリックの歴史を聞かされた。2000年結成当時のメンバーは1人も残っていないこと、バンド名の由来となった富士ファブリック株式会社を実家に持つドラマーも当然いないこと、クリスマスイブに謎の死を遂げた志村正彦という人物の話、すべて初めて聞くことだったし、アーティスト個人個人の話をここまで掘り下げるという経験が僕にはなく、当時とても新鮮に感じていたことを覚えている。

 前述のNCIS同様何度もドラムでカバーしたバンドで、若者のすべて、茜色の夕日、陽炎、赤黄色の金木犀、Bye Bye、Suger!!、桜の季節、Anthemなどをカバーさせてもらった。大抵若者のすべて+何かだったので、あまり曲数は多くない。ぶっちゃけた話、まったりした曲が多いため叩くのはそこまで好きではなく、もっぱら聞いたり歌ったりすることの方が好きだった。「若者のすべて」に至っては歌いすぎてむしろ恥ずかしくなってきた節すらある。カラオケで流行りのJ-POPしか入れないような、「お前そのバンド全然好きじゃないだろ」とヤジが飛んできそうな、そんな恐怖すら出てきている。

 

[CDJ19/20のセットリスト]

1 破顔

2 Green Bird

3 Suger!!

4 LIFE

5 銀河

6 東京

7 若者のすべて

8 手紙

 

 お察しの通り、大学時代僕が聞いてきたのはほぼ志村正彦が生前携わった曲で、山内総一郎がマイクを取ってからの曲はあまり知らないまま会場に来てしまった。しかもまた最前列間際。もし新生フジの曲ばかりだったらどうしようと、そんな不安があった。しかしリハでは夜明けのBEATを流すし、セトリも半分は知っている曲で、大層盛り上がった。カバーもしたSuger!!なんてほとんど一緒になって口ずさんでいたが、周りはそうでもなかった。最初からお通夜モードだったのか、最前部中央に集まっていたのはVo./Gt.山内総一郎、Key.金澤ダイスケ、Ba.加藤真一の3人体制になってからのフジファブリック限定のファンだったのだろうか。その辺りは今もちょっと分からない。

 「東京」で総一郎のちょい下手ラップでバカみたいにテンションが上がってからの「若者のすべて」。一気に会場はしんとなる。この時僕はもう感極まって泣いているのだが、総一郎のMCはそこに追い討ちをかける。当然志村正彦の話になる。当時からCDJに出演していたフジ、今でもこの場所を守っているよという話、君がいなくなった後も僕たちは頑張ってきたよという話、全てが作り込まれた感動超大作のようで、これが本当に現実なのだと思うと一層悲しく、愛おしく思えた。

 そして最後に自分たちの曲を歌うぞといったニュアンスのことを話し、演奏に入る。泣きじゃくる僕は「あ、最後知らない曲か。楽しめるかな」といった不安がチクリと胸を刺すのだが、この「手紙」はメロディも歌詞も全て全てが僕の心を掴んで離さなかった。アンコールは無く、メンバーが退場した瞬間にスタッフが壇上に上がってきたのは少し寂しい気がしたが、とにかく泣きに泣いて震える僕はしばらくその場を動くことができなかった。

 僕に当時の思い出はないが、長年のファンにとっては志村が亡くなった数日後のCDJ奥田民生が「茜色の夕日」を歌った瞬間や、2010年の「フジフジ富士Q」のような感動があの場にあったのでは無いだろうか。存在を知った時には既に亡くなっていた人に対してこんなに感情的になることがあるのかと、音楽の可能性は底知れないなと僕は思った。

 

 各アーティストへの想いとその時の感想を書き綴っていたら随分と長くなってしまった。元々この時の感情を風化させたくないと思い立って31日未明の3時に書き始めたが、もう23時を過ぎてしまっている。なんとか今年のうちに書ききれてよかった。ブログという自分の思いを言語化するツールがあってよかった。ここまで読んでくれた人、どうもありがとう。良いお年を。